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1本にしとけばよかった

 一日、本当によく降りました、雪!かけどもかけども追いつきません。買い物から戻ってみればまた10cm、といった感じです。車を出すには、前が見えず運転が大変そうでしたが、街は真っ白で、すっかり美しくなりました。


 今日は、映画を2本見てきました。

 1本目。『紙屋悦子の青春』 邦画です。
 昭和20年の春先。鹿児島で紙屋悦子とその兄夫婦、そして、彼女の恋した男性とその友人で彼女の夫となった男性にかかわる当時の思い出話を、年老いた悦子夫婦がある日の夕方、病院の屋上で話す。桜が咲き始め、満開になり、散っていく、たったその短い時間に起こったされど様々な出来事を、時に可笑しく、時に切なく見せてくれる。
 この映画、戦争に絡んだ映画ながら、血を流すシーンは一つもない。でも、「戦争は嫌だ」という印象を心に深く刻み込まれた。悦子の義理の姉がある日、夕食に赤飯とらっきょを出す。これを食べれば爆撃にあわないと近所の人に聞いてきたからだ。悦子と夫は「ばかなことを」と笑うが、彼女は「赤飯は赤飯として、らっきょはらっきょとして食べたい。爆撃にあわないからなんて思って食べたくはない」と言う。このセリフが私には印象的だった。
 私は戦中の生活は知らないが、きっと、この映画のような時間が、本当に流れていたんだろうなという、漠然としたリアリティーを感じた。
 とても心に残る作品でした。

 2本目。『陽炎座』 邦画 1981年の作品。
 正直、この作品は、またもや分からなかった。蠍座通信には、確かに「鈴木清順(監督)の作品では物語の流れに深く関わる必要はない。」と書かれていたのだが、もともとが映画をストーリー第一で見るタチなので、この作品は私には「合わない」ものだった。
 ただ、撮影の仕方、俳優の演技など、撮影の巧みさからいうと、良いのかもしれない。たぶん、映画を判断する人たちは、こういうところにも良し悪しの基準を置くんでしょうね。
by haretahi | 2007-02-12 23:07 | 映画
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